【北アフリカ・歴史】モロッコ史概要 早見表

モロッコ史の特色

モロッコは地中海の覇権を巡って争ったローマとカルタゴの影響を受けて以来の古い歴史を持つ地域だが、11世紀までは周辺の国家の影響を受けることが多く長らく政治的に独立した地域ではなかった。
モロッコの歴史に大きな変化をもたらしたのはイスラムによる征服から間もなくして起こったベルベル人の大反乱であり、イドリース朝をはじめとして独自のイスラム勢力が根付くこととなった。

イベリア半島にあった大国、後ウマイヤ朝が衰退すると、北のイベリア半島や東のアルジェリア、南のマリ・ガーナ等の周辺地域に影響を及ぼすまでになった。ムラービト朝ムワッヒド朝マリーン朝の3つの王朝の元、400年近くに渡ってイスラム世界屈指の帝国として繁栄した。
それ以降は新たにイスラム世界に君臨したオスマン帝国や大航海時代以降飛躍する西欧諸国の圧力にさらされながらも独立を保ち続けた。20世紀前半にはついに西欧の保護領となってしまうものの、その間も王室の血筋は途絶えることなく、モロッコ王室は現在まで350年以上の歴史を持つ。

モロッコ史 年表

ベルベル系マウリ族(マウレタニア人)文化
B.C.7世紀頃
カルタゴの影響下
B.C.3世紀
マウレタニア王国
B.C.33年
ローマ帝国の影響下
A.D.40年
ローマ帝国の支配下
3世紀
ローマ帝国の影響下
430年頃
ヴァンダル王国の影響下
534年
東ローマ帝国の影響下
700年頃
ウマイヤ朝の支配下
740年
ベルベル系独立国家群
789年
イドリース朝
917年
ファーティマ朝の支配下
925年
イドリース朝
927年
ファーティマ朝の支配下
970年頃
ズィール朝と後ウマイヤ朝の係争地
1010年頃
空白地帯(小規模国家群?)
1060年頃
ムラービト朝
1147年
ムワッヒド朝
1230年頃
ムワッヒド朝とマリーン朝の抗争
1269年
マリーン朝
1465年
ムハンマド・イブン・アリー政権
1472年
ワッタース朝
1511年
ワッタース朝とサアド朝の抗争
1554年
サアド朝
1659年
小勢力の分立
1669年
アラウィー朝
1912年
フランス・スペインの保護領
1956年
モロッコ王国(アラウィー朝)
現在